前回の「親(妻と私)の希望を考えると、中学受験をしない選択にも利点があるのではないか」について、私が考える利点は以下の通りです。
① 小学生の息子に過度な負担をかけない。
様々な中学受験生(高学年)のブログを拝見するに、満足な結果を得るために必要となる家庭学習時間は20時間/週以上だと思われます。さらに、家庭学習以外に進学塾で10時間/週以上の授業を受けます。この分量は平均的な高校受験生や大学受験生と肩を並べるレベルで、体力・精神力が発展途上の小学生にとって過度な負担だと思えます。そう言い切れる科学的根拠は無いですが・・・。私の時代の中学受験でもそれなりに大変でしたし、現在はそれ以上に大変である(出題範囲や難易度が上がっている)のは明らかです。中学受験をしないなら頻繁に順位付けするテストはありませんし、息子の負担を軽減できると思います。
② 家族で笑って過ごせる時間を作れる。
中学受験での合格を目標とするなら本人が一番大変ですが、サポートする親も大変です。子供以上に親はヤキモキするのではないでしょうか・・・。いや、そうなってしまう自分が想像できます(笑) 笑い飛ばせる時だけでは無いはずで、怒鳴ったり喝を入れることが必要な時もある。つまり、笑って過ごせる時間は激減します。中学受験をしないなら頻繁に順位付けするテストはありませんし、親の負担を軽減できると思います。
③ 息子が共学校へ行く可能性が高まる。
ごく平凡な小学生男子であるなら、しっかり者の小学生女子はうざったい存在です(笑) 現在の長男に「男子だけの中学と男女半々の中学、どっちがいい?」とさり気なく質問したところ、即答で「男子だけがいいに決まってる! 女子は一緒に遊ばないし。」と言っていました。まだ女の子への関心は薄くて健全です。いや、不健全なのかもしれない。中学受験を選択し息子に受験校を選ばせたら、男子校だけとなるでしょう。我々親の希望は共学です(笑)
もう少し真面目に考えるなら、皆が憧れる(偏差値の高い)中高一貫校の中で、共学校の数は男子校や女子校に比べて圧倒的に少ないです。皆が憧れる共学高校の多くは公立(都立、道立、府立、県立)であり、中学受験をするということはそれらに進学する可能性を切り捨てることになります。もちろん中学受験で人気のある共学校の存在は知っていますが、需要に対して学校数が少ないです(故に近年は偏差値上昇傾向)。男子校もしくは女子校へ行きたい小学生(行かせたい親)にとっては、中学受験は非常に良い選択肢です。大切なことなのでもう一度言いますが、我々親の希望は共学です(笑)
④ 私が今のペースで仕事を続けられる。
今現在でも息子の朝学習を毎日サポートすることはできていません。私は仕事の都合で家を1週間~2週間離れることが年に何度もありますし、この傾向は今後も続きます。場合によってはもっと酷いことになっている可能性も有ります。一方、専業主婦の妻は「学習は自分の意志でするもの」という強い信念を持っています。妻には「非常に大人びた小学生時代の貴女と一緒にしないでください」と言ってやりたいところですが、まぁ仕方ありません(笑) 中学受験をしない選択であれば今くらいのゆるいペースで学習を続けてもよいわけで、私は今のペースで仕事を続けられます。
⑤ 公立中学出身者も大学にはたくさんいる。
ご存知のように、大学には公立中学出身者が意外とたくさんいます。中高一貫校出身者が比較的多かった環境でしたが、それでも感覚的には半分くらいです。中学受験で培った学習内容を大学で使っていたかと言われれば・・・、あまり使っていない気がします(笑) 中高一貫校は高校受験を避ける(=ゆったりとした中学時代を過ごす)ために入学したいという人も多いはずです。しかし、中学時代にだらけてしまえば自動的に高校に入ってから大変となり、大学受験を気にするなら結局はコンスタントに勉強するしかない。小学4年~6年までの3年間で得たリードは、中学1年~3年までの3年間でちゃらになるとしたら・・・なんてことは無いですよね? 学校環境(友人関係、校舎設備)と自信(学校のネームバリュー)を得る必要が無いとしたら、中学受験はしなくてもよいといえます。
⑥ 中学校の学習範囲を真剣に取り組める。
現在の東京都公立中学卒業者の進学率は98%を超えています。公立中学校の生徒にとって高校受験はほぼ全員参加の行事で、自らの将来に関わることでもあるため否が応にも真剣になるハズ。公立中学出身の知り合いからは真剣になったと聞きました。自らの将来について、中高一貫校の生徒よりも真剣に考えるのではと思います。私の経験から言うと、中高一貫校では中学校で過半数の生徒がだらけます。だって、余程の悪い成績を取らない限り内部進学できるわけですから。本気を出すのは高校生からです。いや、人によっては高校3年生からかもしれません(笑) 中学時代にだらけるリスクを回避するためには、高校受験は良い刺激です。
平成29年度公立中学校等卒業者(平成30年3月卒業)の進路状況調査の結果(速報値)
上記は私の独断と偏見を強調し過ぎですので、中学受験をしない選択の欠点についてもいつか書こうと思います。